金融商品の選び方~初心者におすすめの投資信託について~

初心者向け!投資信託を選ぶ際に押さえておきたいポイント

自分の投資目的とリスク許容度を明確にする

まず最初に考えるべきことは、自分の投資目的とリスク許容度です。投資信託は長期的な資産形成に向いていますが、目的によって選ぶべきファンドが変わってきます。

  • 短期的な目標(数年以内に使いたいお金):リスクを抑えた債券型ファンドやバランス型ファンドが向いています。
  • 長期的な目標(老後資金や子供の教育資金など):リスクを取りつつリターンを狙える株式型ファンドやインデックスファンドが適しています。

リスク許容度は、自分がどれくらいの損失を許容できるかによって異なります。株式型ファンドはリターンが大きい可能性がありますが、価格の変動も激しいため、リスクに耐えられるかどうかを判断することが重要です。

ファンドの種類を理解する

投資信託には、インデックスファンドとアクティブファンドという大きな2つのタイプがあります。それぞれの特徴を理解し、自分に合ったものを選びましょう。

  • インデックスファンド:市場全体の動きに連動するように運用されるファンドで、手数料が低めに設定されていることが多いです。長期的に市場全体の成長に乗ることで資産を増やすことが目的となります。初心者には、リスクが比較的低く、コストも抑えられるインデックスファンドが人気です。
  • アクティブファンド:ファンドマネージャーが市場の平均を上回る成果を目指して積極的に運用するファンドです。リターンを狙える可能性は高いものの、手数料がインデックスファンドよりも高く設定されていることが多いです。市場に詳しくなった後、特定のテーマや企業群に賭けたい場合に適しています。

手数料を確認する

  • 購入時手数料:投資信託を購入する際にかかる手数料です。最近では、この手数料が無料(ノーロード)のファンドも多くあります。できるだけ低い手数料の商品を選びましょう。
  • 信託報酬:投資信託の運用中にかかる費用です。インデックスファンドは比較的信託報酬が低い傾向にあり、アクティブファンドは運用にコストがかかるため高めに設定されています。信託報酬が高いと、その分投資成果に悪影響を与える可能性があるため、低コストなファンドを選ぶのが無難です。

ファンドの運用実績を確認する

  • 運用実績のチェックポイント:過去3年、5年のパフォーマンスを確認し、市場の変動に対してどのように反応しているかを見ましょう。特にリーマンショックやコロナショックなどの経済危機の際に、どれくらいの影響を受けたかも参考になります。
  • 基準価額の推移:ファンドの基準価額(1口あたりの価格)がどのように推移しているかも確認してください。安定して成長しているファンドは長期的に信頼できる可能性があります。

分配金の有無を確認する

  • 分配金あり:定期的に分配金を受け取ることができますが、分配金が支払われるたびに税金がかかります。そのため、長期運用を目指す場合、分配金を受け取らず、運用益を再投資するタイプの方が有利になることが多いです。
  • 分配金なし:分配金を出さず、運用益が自動的に再投資されるタイプです。税金の支払いを先送りにできるため、長期的な資産形成を目指す場合は無分配型が適していると言えます。

【おすすめの投資信託タイプ】インデックスファンド vs アクティブファンド

インデックスファンドとは?

インデックスファンドは、特定の株価指数や市場全体の動きを追随することを目的としたファンドです。例えば、日経平均株価やS&P500といった指標に連動するように運用されます。市場全体の成長を目指し、投資対象を広く分散するため、比較的リスクを抑えた長期運用に適しています。

インデックスファンドのメリット

  • 低コスト: インデックスファンドは運用が自動的に行われるため、ファンドマネージャーによる積極的な運用が必要ありません。そのため、運用コスト(信託報酬)が低く設定されており、コスト削減がリターンに直結します。
  • リスク分散: 広範囲にわたる市場全体に投資するため、特定の企業やセクターの影響を受けにくく、リスクが分散されます。これにより、急激な市場変動に対する安定性が高まります。
  • シンプルな運用: インデックスファンドは市場の動きに連動するだけなので、複雑な戦略や選択が不要です。長期的に投資を続ける初心者や、手間をかけたくない投資家に向いています。

インデックスファンドのデメリット

  • 大きなリターンを期待しにくい: 市場全体の平均的な動きに追随するため、短期間で大きな利益を上げることは難しいです。大幅な市場成長がない限り、リターンも安定して平均的な水準にとどまります。
  • 市場全体の影響を受けやすい: インデックスファンドは市場全体に投資しているため、全体の市場が下落すると同じように価値が下がります。市場が不安定な時期には、回避できない損失を被ることもあります。

アクティブファンドとは?

アクティブファンドは、ファンドマネージャーが市場を分析し、特定の企業やセクターに投資することで、市場平均を上回るリターンを目指すファンドです。積極的に投資先を選び、リターンを追求するため、運用方針やファンドマネージャーの腕前が大きな影響を与えます。

アクティブファンドのメリット

  • 高リターンを狙える: アクティブファンドは市場平均を上回るリターンを目指しているため、成功すればインデックスファンドを超える収益を得ることが可能です。特定の成長分野や企業にうまく投資できれば、非常に大きな利益を享受することができます。
  • 柔軟な運用が可能: アクティブファンドは、ファンドマネージャーの判断で投資先を柔軟に変更できるため、経済状況や市場のトレンドに合わせた対応が可能です。これにより、短期的な市場の下落リスクを回避したり、成長の機会を捉えることができます。

アクティブファンドのデメリット

  • 高コスト: アクティブファンドは、ファンドマネージャーの運用にコストがかかるため、インデックスファンドに比べて信託報酬が高く設定されています。運用成果が手数料に見合わなければ、リターンが低くなってしまう可能性があります。
  • リスクが高い: ファンドマネージャーの運用成績に大きく左右されるため、うまくいかない場合は市場平均を下回ることもあります。特定のセクターや企業に集中投資するため、リスクが高まる可能性があります。

インデックスファンド vs アクティブファンド:どちらが初心者向きか?

  • インデックスファンドがおすすめな人
    • 長期的に安定した資産形成を目指す人: インデックスファンドは市場全体に投資するため、長期的な視点で資産を増やしていくのに向いています。リスクを抑えつつ、低コストで運用を続けたい初心者には最適です。
    • コストを抑えたい人: 運用コストが低いため、手数料による資産の目減りを避けたい人にはインデックスファンドが向いています。
  • アクティブファンドがおすすめな人
    • 市場平均を超えるリターンを狙いたい人: 成長が期待できる企業やセクターに積極的に投資したい人、リスクを取りながら大きなリターンを狙いたい人にはアクティブファンドが適しています。
    • 市場や経済に関心があり、運用に参加したい人: 経済ニュースや市場動向に関心があり、より積極的に投資に関わりたい人には、ファンドマネージャーが成長機会を狙うアクティブファンドが面白い選択肢です。

【投資信託の始め方】口座開設から購入までの手順を解説 

口座を開設する

まず、投資信託を購入するためには、証券会社や銀行などの金融機関で投資用の口座を開設する必要があります。ここでは、ネット証券と銀行の2つの選択肢について説明します。

ネット証券

ネット証券は、手数料が比較的安く、投資信託のラインナップも豊富なため、多くの投資家に人気です。口座開設の手続きはすべてオンラインで完結することができ、スマホやパソコンから簡単に申し込むことができます。楽天証券、SBI証券、マネックス証券などが代表的なネット証券です。

銀行

銀行でも投資信託を取り扱っていますが、ネット証券に比べて手数料が高めであることが多いです。銀行で口座を持っている人や、対面で相談しながら投資を進めたい人には、銀行口座での投資信託購入が適しています。

口座開設に必要なもの

口座開設には、以下のものが必要です。

  • 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
  • マイナンバー通知カードまたはマイナンバーカード
  • 銀行口座情報(投資信託の購入資金を入金するために必要)

口座開設が完了すると、ログイン情報が送られてきます。この情報を使って投資信託の購入ができるようになります。

投資信託の選び方

口座が開設できたら、次に行うのは投資信託の選定です。投資信託は数千種類以上あるため、どれを選ぶかが重要なステップになります。投資信託を選ぶ際には、以下のポイントに注意しましょう。

投資目的に合ったファンドを選ぶ

自分がどのような目的で投資をするのかを明確にしましょう。例えば、短期的に利益を得たいのか、老後の資産形成のために長期運用を考えているのかによって、選ぶファンドが異なります。

手数料を確認する

投資信託には、購入時手数料、信託報酬、信託財産留保額といったコストがかかります。特に信託報酬は運用期間中にかかり続ける費用なので、できるだけコストの低いファンドを選ぶことが、長期的な運用では大切です。

運用実績をチェックする

ファンドの過去の運用実績や、ファンドマネージャーの経験なども重要なポイントです。過去のリターンやリスクの変動を確認し、安定した運用をしているかどうかを判断しましょう。

投資信託を購入する

一括購入

一括購入は、まとまった資金で投資信託を一度に購入する方法です。株価債券価格が低いタイミングを見計らって購入することで、将来的なリターンが期待できます。ただし、市場の動向によってはタイミングを逃すリスクもあるため、相場をよく確認することが必要です。

積立投資(ドルコスト平均法)

積立投資は、毎月一定額を自動的に投資信託に投資する方法です。この方法では、株価が高い時には少なく、安い時には多く購入することができるため、平均購入価格を抑える効果があります。リスクを分散し、長期的に安定した運用を目指す初心者に向いています。積立金額や頻度は、自由に設定できる場合が多く、自分の予算に合わせて運用が可能です。

購入後の管理と見直し

投資信託を購入した後も、定期的に運用状況を確認し、必要に応じて見直しを行うことが重要です。

基準価額のチェック

投資信託の価値は「基準価額」と呼ばれる単位で表されます。基準価額は毎日変動するため、定期的にチェックすることでファンドの状況を把握できます。ただし、短期的な変動に一喜一憂せず、長期的な視点で見ることが大切です。

リバランスを検討する

投資信託の運用が進むにつれて、最初に設定したポートフォリオのバランスが崩れることがあります。この場合、資産配分を元に戻す「リバランス」を行うことが必要です。特に長期運用を行っている場合、定期的にリバランスを検討しましょう。

結論

投資信託は、初心者でも少額から始められる手軽な投資手段であり、プロの運用を活用して長期的な資産形成を目指すことができます。まず、自分の投資目的とリスク許容度を明確にし、インデックスファンドやアクティブファンドなどの適切なファンドを選ぶことが大切です。手数料や運用実績をしっかり確認し、リスクを抑えた運用を心がけましょう。また、一括購入や積立投資など、自分のライフスタイルや予算に合った方法で投資を進めることが重要です。

投資信託を選ぶ際には、長期的な視点を持ち、分配金の有無やリバランスも考慮しながら計画的に運用することが成功の鍵です。市場の短期的な変動に惑わされず、安定した資産形成を目指して、投資信託を活用していきましょう。

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