クレジットカードができたきっかけは?
ある実業家がレストランで食事をし、支払いをする際、財布を忘れてきたことに気付き、「つけ」で支払いができるシステムを作ったのが、クレジットカードの発祥と言われています。クレジットカードはその前身も含めて、アメリカ合衆国では約150年の歴史があります。
クレジットカードの種類
クレジットカードには、次のような種類があります。
ランクによる分類:一般カード、ゴールドカード、プラチナカード、ブラックカードの4種類があり、ランクが高くなるほど年会費や特典の質が高くなります。ゴールドカード以上はステータスカードと呼ばれます。
発行会社による分類:銀行系カード、信販系カード、流通系カード、交通系カードの4種類に大きく分けられます。
国際ブランドによる分類:Visa、Mastercard、JCB、アメリカン・エキスプレス、Diners Clubなどの国際ブランドがあります。国際ブランドは、決済システムのネットワークのブランドで、海外での利用に欠かせません。
クレジットカードのランクはステータス性の高さで決まるため、希望に合わせて選ぶとよいでしょう。また、カードのデザインが金色だからといって「ゴールドカード」とは限りません。
クレジットカードの仕組み
クレジットカードは購入した商品やサービスの代金を後から支払えるもの。
利用時の流れ
カード所有者が加盟店でクレジットカードを使って商品やサービスを購入すると、クレジットカード会社が代金を立て替えます。
後日、クレジットカード会社からカード所有者に「ご利用代金明細」が送られ、1ヵ月分の利用金額をまとめて請求されます。
カード所有者は、請求に基づき登録口座から支払いを行います。
加盟店の役割
クレジットカードを使うには、お店がクレジットカード会社と「加盟店契約」を結んでいる必要があります。
加盟店はクレジットカード対応によって顧客の支払い方法を柔軟にし、カード会社は決済手段を提供する代わりに手数料を得ます。
利用金額を支払うタイミング
締め日
クレジットカード利用額を集計する日。締め日までの1ヵ月間の利用分がまとめられます。
引き落とし日
締め日後に請求金額が登録口座から引き落とされる日。クレジットカード会社ごとにスケジュールが異なり、一般的には「5日」「10日」「15日」「月末」などさまざまです。
注意:締め日・引き落とし日を確認し、口座に十分な残高を用意しておきましょう。
クレジットカードのメリット
クレジットカードのメリットは、次の7点です。
<現金がなくても買い物できる>
クレジットカードがあれば、現金を持っていなくても買い物できます。持ち合わせている現金が足りなくても支払いができ、銀行やコンビニのATMで現金を引き出す必要がありません。
また、日々持ち歩く現金を減らせるのもメリットです。多額の現金を持ち歩く不安を解消でき、小銭やお札で財布がかさばりません。
<買い物以外でクレジットカード払いできるサービス>
クレジットカードが使えるのは、店頭での支払いやネットショッピングだけではありません。次の支払いでもクレジットカードを利用できます。
ポイントが獲得できておトクになる
クレジットカードで支払いをすると、利用合計金額に応じてポイントを獲得できます。年会費無料のクレジットカードでもポイントをためられるので、コストをかけずにポイントを獲得できる点は現金にはない魅力でしょう。
ためたポイントは、クレジットカードの利用金額の支払いに充てたり、電子マネーやマイルなどの提携ポイントに交換できたりと、使い道もさまざまです。
<特典・優待サービスでおトクになる>
クレジットカードはポイントがたまるだけでなく、カード所有者が利用できる特典・優待サービスも魅力です。
代表的なものとして、旅行中のケガや病気などの際に補償が受けられる「旅行傷害保険」があります。ほかにも、国内外の空港ラウンジの利用、会員限定のチケット優待、ホテルや飲食店の割引などがあります。サービスをうまく活用することで、年会費以上の恩恵を受けられるでしょう。
なお、特典・優待サービスはクレジットカードの種類やグレードによって異なるため、申し込み前によく確認しましょう。
<支払い方法が選べて月々の支出を調整できる>
クレジットカードはショッピング1回払い(一括払い)だけではありません。分割払いやリボ払いなどを利用することで、月々の支払いを分散できます。
たとえば、イベント・行事などで出費がかさむときや大きな買い物をするときに、支払い方法を分割払いやリボ払いにすれば、月々の支払い負担を減らせるでしょう。
<各種手数料の削減で節約できる>
クレジットカードを使うことで、各種手数料を節約できる点もメリットです。
たとえば、現金払いの場合はATMでお金を引き出す際に手数料が100~200円ほどかかることがあります。さらに、ネットショッピング利用時に現金で払おうとすると、代引手数料や振込手数料がかかり、1回の買い物で300円前後の手数料がかかります。
クレジットカードを利用すれば、これらの手数料はかかりません。1回の買い物ではわずかな手数料の金額でも、毎月・毎年と重ねることで大きな金額になります。
<アプリを活用すれば家計管理ができる>
クレジットカードを発行すると、スマートフォンやパソコンで会員専用のウェブページが閲覧できるようになります。
ウェブページでは利用明細が確認でき、「クレジットカードをいつ・どこで・いくら使ったのか」を把握することが可能です。日々の出費を確認できるので、家計簿の代わりに活用できるでしょう。
また、「今月は〇〇で買い物をし過ぎた」「先月より交際費がかさんだ」といった、お金の使い過ぎの発見にも役立てられます。クレジットカードを使う際は、定期的に利用明細を確認するといいでしょう。
<海外旅行・出張でも活用できる>
クレジットカードは日本だけではなく海外でも利用できるため、海外旅行や出張へ行く方は持っておくと便利でしょう。
海外でクレジットカードを持っておけば、日々持ち歩く現地紙幣(現金)が少なくて済みます。また、海外旅行傷害保険や海外店舗での優待サービス、空港ラウンジを利用できます。さらに、海外ATMでキャッシングサービスを利用して現地紙幣を引き出すことも可能です。
海外でのクレジットカードの使い方は日本と同様です。支払いの際にクレジットカードで支払う旨を伝えて、決済端末にかざす、または差し込みます。
クレジットカードで選べる支払い方法・回数
・ショッピング1回払い(一括払い)
特徴: 1ヵ月分の利用金額を締め日にまとめ、支払日に一括で引き落とします。
メリット: 手数料無料。
注意点: 特になし(最も一般的な支払い方法)。
・ショッピング2回払い
特徴: 支払いを2回に分けて行います(例:翌月と翌々月)。
メリット: 手数料無料の場合が多い。
注意点: 無料対象外の場合、手数料が発生することもある。
・ ショッピング分割払い
特徴: 3回以上の分割支払いを選択可能。
メリット: 高額商品の購入時に負担を軽減。
注意点:手数料がかかる。
支払回数が増えるほど手数料が上昇。
・ショッピングリボ払い
特徴: 毎月の支払い金額を一定に設定。
メリット: 毎月の支出管理が容易。
注意点:高額な手数料がかかる。
支払期間が長期化しやすい。
・ ボーナス1回払い
特徴: 夏または冬のボーナス時に一括で支払う。
メリット: 通常の引き落とし時期を後ろにずらせる。
注意点: ボーナスが確実に支給される場合に利用するのが望ましい。
・ショッピングスキップ払い
特徴: 支払いタイミングを最長6ヵ月先に変更可能。
メリット: 一時的な支払い延期が可能。
注意点:手数料が発生。
1回払い専用。
手数料を抑えるポイント
支払い方法を選ぶ際は、手数料の有無と金額を確認しましょう。
必要に応じて、クレジットカード会社の手数料シミュレーションを活用すると安心です。
クレジットカードの選び方
<年会費:コストとサービスのバランスを確認する>
クレジットカードには「年会費無料」や「有料」のものがあり、以下の3つのパターンがあります:
永年無料:条件なしでずっと無料。コストをかけずに利用したい方に最適です。
条件付き無料:一定金額以上の利用が条件。条件を満たすなら無料で使えます。
初年度のみ無料:翌年度からは有料。特典内容との比較が重要です。
コストを抑えたい場合は「永年無料」のカードがおすすめですが、特典や保険などを重視する場合は、有料カードを検討する価値があります。
<特典・優待・保険:サービス内容を確認する>
カードの種類によって特典内容が大きく異なります。以下の例を参考に、自分に合ったカードを選びましょう:
旅行が好きな方:旅行傷害保険や空港ラウンジの利用特典が充実しているカード。
日常の買い物をお得にしたい方:特定店舗で割引やポイントアップ特典があるカード。
一般的に、ゴールドカードやプラチナカードなどグレードが高いカードほど、付帯サービスの種類が豊富です。
< ポイント還元率:効率的にポイントをためる>
ポイントをためたい方は、ポイント還元率を重視しましょう。例えば:
通常の還元率:平均は0.5%~1.0%。高還元率のカードなら1.5%以上も可能。
特定店舗の還元率:よく利用する店舗やサービスで還元率がアップするカードを選ぶとさらにお得。
カード利用額が多い場合、わずかな還元率の差が大きなポイントの差につながります。
< デザイン:自分好みを選ぶ>
カードデザインも選ぶ際の重要なポイントです。シンプルでスタイリッシュなものから、キャラクターデザインのものまで幅広い選択肢があります。頻繁に使用するものだからこそ、自分の好みに合ったデザインを選ぶと、支払い時の気分も高まります。
< セキュリティー:安心して使うための対策>
安全性も重要なポイントです。最近のカードには、以下のようなセキュリティ機能が搭載されています:
ナンバーレスカード:カード番号や有効期限が記載されていないため、不正利用のリスクを軽減。
アプリ連携:利用履歴をリアルタイムで確認でき、万が一の不正利用も即時対応可能。
不正検知システム:所有者以外の利用が確認されると自動的に利用停止。
これらの機能が備わったカードを選べば、安心して利用できます。
まとめ
クレジットカードは、現金を持ち歩くことなく支払いができる便利なツールであり、日々の生活をよりスマートにしてくれます。しかし、利用方法によっては利便性を享受しながらも無理のない支払い計画を立てることが重要です。
番外編
デビットカードは、銀行口座と紐付けられており、支払いと同時に銀行口座から引き落とされるキャッシュレス決済のカードです。クレジットカードと異なり、審査が不要で、年齢などの申込条件を満たしていればカードを作ることができます。
デビットカードのメリットには、次のようなものがあります。
使いすぎを防げる:銀行口座の残高分しか使えないため、使いすぎを防ぐことができます。
お金の管理がしやすい:支払と同時に引き落とされるため、お金の流れがシンプルで管理しやすくなります。
ATM手数料が不要な場合がある:現金の代わりとして決済するため、ATMで現金を引出す必要がありません。
ポイントが付く場合がある:デビットカードを発行している銀行によっても異なりますが、利用に合わせてポイントが付くデビットカードも多数あります。
一方、次のようなデメリットもあります。
口座が残高不足だと支払ができない:残高が不足しているとエラーになって支払ができないため、支払に必要な残高があることを事前に確認しておく必要があります。
支払方法は一括払いのみ:クレジットカードのように分割払いやリボ払いなどの支払方法を選択することはできません。